界面における固体微粒子による構造形成

界面における固体微粒子による構造形成とその制御方法の開発

異相界面および界面層の構造を制御することで、非常に少ない物質量で材料の機能を大きく向上できることがあります。例えば、界面および界面構造を制御することで光の反射、屈折、あるいは回折を制御でき、光エネルギーデバイスの高効率化実現のために有用です。界面層を制御して作る手法として、フォトリソグラフィーなどのトップダウン法は高精度で有効ではありますが、高コストであり、エネルギーなどの安価なものを大量に生産するためのデバイスの界面構造形成には不向きです。むしろ、自己集合あるいは自己組織化的にボトムアップ法で所望の界面を形成させる技術が求められています。

わたしたちはこのような背景のもとに、微粒子をビルディングブロックとする二次元構造を油水界面に自己集合的に作製する方法およびその構造形成のメカニズムに関する研究を行っています。微粒子の多くはバルクに存在するより界面に存在する方がエネルギー的に安定です。液液界面に強くトラップされる粒子の場合、面内方向には比較的自由に動けるため,粒子一層という構造(単粒子層構造)を確保しつつ粒子間の相互作用によって二次元構造が規定されるという特質があります。たとえば、強く反発する粒子は粒子間の距離を最大化しようと、大きな粒子間距離を確保しつつ二次元の六方格子に配列した構造をとります。粒子間相互作用を制御することが単粒子層構造全体を制御するためにもっとも重要です。

本研究課題では、粒子の自己集合により形成される粒子層構造と、そのような構造が作り出される原因となっている粒子間相互作用との関係に焦点を当てた基礎研究を行っています。また、粒子をビルディングブロックとする新規構造の形成の可能性も追求しています。

以下に、本研究課題における具体的なテーマの例を記述します。

  • ・鉛直油水界面を用いた粒子間相互作用測定法の開発
  • ・単粒子層構造によるレーザー回折図形の解析
  • ・電場印加による粒子集積の制御
  • ・二種類の粒子を用いた油水界面での二元系規則構造の形成

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