科研費による研究

レーザー水中LIBS分析のスペクトル変動機構の解明と同時多元計測相関解析による高精度化(基盤研究(B) 代表者 作花)

 レーザー誘起ブレークダウン分光法(LIBS)は、パルスレーザーで試料を集光照射してプラズマを生成させ、そのプラズマからの原子発光スペクトルにより、試料を構成する元素の定性・定量分析を行う方法である。これまでに、われわれはLIBSを水中の固体試料のその場元素分析に適用できることを示してきたが、定量分析の精度を実用レベルまで向上させるためには、パルス照射ごとのスペクトルの変動(再現性の低さ)を改善することが必要である。本研究では、プラズマの状態を特徴付けるパラメータを発光スペクトルと同時に計測し、スペクトル強度と強く相関しているパラメータを見つけ、そのパラメータの安定性を集中的に改善することで高い分析精度を得ることを目指している。

 これまでに、照射によって生じる気泡の大きさ、生成したプラズマからの全発光強度、および発光スペクトル線強度を同時に計測し、それらのパラメータ間の相関を調べていることを試みている。また、プラズマ中の温度と密度について、理論式から誤差伝播によって得られる変動係数と測定結果を比較することにより、変動の原因を調べる研究を行なっている。これらの研究成果は、随時公表する。

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